Amigomr's second blog

このブログは MozillaJapan 翻訳部門や訳語決定会で活動している Amigomr の趣味など超私的なブログです。

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ここは Amigomr's 徒然日記の前の日記です。今はサーバ落ちの時などにのみ使っています。

水曜日, 9月 06, 2006

ムラヴィンスキーについて

旧ソ連の指揮者・エフゲーニ・ムラヴィンスキーの録音がロシアのレコード会社「ヴェネツィア」社より最近、リリースされている。これを機にムラヴィンスキーについて述べてみたい。

エフゲーニ・ムラヴィンスキー(1903 ~ 1988)は旧ソ連の名門オケ・レニングラード・フィルを半世紀に渡って指揮した旧ソ連一の名指揮者である。かの有名なショスタコーヴィチとは友人の関係にあり、彼の交響曲5 番はムラヴィンスキーのレニングラード・フィル音楽監督就任を決めた作品であり、8 番はムラヴィンスキーに捧げられている。ムラヴィンスキーは長らく「幻の指揮者」と日本で言われていたが 1973 年に来日。その後、4回来日した(同氏は初来日以降、日本人を特に好んだ)。

まず、挙げなくてはならないのは 1979 年の来日時の「ワルキューレの騎行」。フルトヴェングラーの「ワルキューレの騎行」とははっきり言って比較にならない。大音響で、しかし冷静に進む 4 分の音楽である。

次に挙げるのはベートーヴェンの交響曲第五番(1972 年、モスクワでのステレオ録音)。特に第四楽章の冒頭。ティンパニが雪崩落ちるように入ると弦楽器が栄光の音楽を奏でる。実はこんな演奏は他になく、無論、スコアでそのような表記はなされていないのだが、そんなことはもう論じる必要すらない。
彼の定番はショスタコーヴィチだが、その演奏は全てがもう、キリスト教の聖書のような絶対的な価値を持っている。彼はショスタコーヴィチの全集を作っていないが、本当に残念だ。

彼の音楽の特徴は「貴族的」。ロシアのオーケストラは金管楽器を派手に(というより下品なことも)弾くことが多いが、ムラヴィンスキーは金管をうまくコントロールしている。最近の指揮者で冷静に指揮しつつ激しい音を出せる指揮者は滅多にいない。ムラヴィンスキーはそれを実現できた指揮者だった。